投入-産出分析による米国情報部門の技術変化への理解

要 約
この講義では、クライン教授と彼の同僚は米国経済におけるITの生産性への影響の議論を実証分析にまで発展させました。教授たちはマクロよりも産業レベルに焦点をあて、ITの技術進歩の影響を測定します。教授らの分析手法はI-O(投入―産出)表を使います。現在の技術変化の認識、その持続性、その大きさについて行われているこれまでの議論においてI-O分析がまったく無視されてきたことを教授らは指摘します。あるいは使われたとしても、その使用方法は不適切だったと言います。

教授らは資本(K)、労働(L)、エネルギー(E)、その他中間材(M)からなるKLEMの生産関数を情報(I)の生産要素を加えたKLEMIにまで拡張します。この生産関数を自動車・部品産業とこの産業を含む輸送機器産業に応用します。

推定された生産関数からこの産業がITストック、ITフローの両方から非常に大きな影響を受け、収穫逓増の生産状況にあることが示されます。ここで示される実証分析は如何にIT革新が米国産業に現れつつあるかを示しています。それと同時に、IT革新により経済の分析枠が大きく変わったことを理解することができます。