IT革新の特徴と米国のIT経済政策

要 約
IT革新の結果として米国の生活スタイルが急速に変わっています。IT革新の生活への影響を理解するためにはIT革新とこれまでの技術革新の相違を理解することが重要です。
最初に、IT革新がこれまでの技術革新と異なる5つの特徴が説明されます。


  • IT革新における技術的なブレークスルーが非常に早く、それに伴うIT関連機器の価格低下も同じ様に非常に早い。
  • IT革新が普及すればするほど、IT投資の価値は高まる。これをネットワーク効果と呼びます。
  • IT財、サービスの生産においてその限界コストが非常に小さい。例えばオリジナルなソフトウエアーを作るには開発費など巨大なコストがかかってもそれを追加的に生産するにはそのオリジナルなソフトをコピーするだけですむ。
  • IT革新は単に価格が低くなっただけでは人々の間に普及しない。その国の文化が重要な役割を果たす。例えば、IT革新はこれまでのビジネスの仕方、あるいは生活の仕方を急激に変えることになるため、それを容易に受け入れられるかどうかはその国の文化が大きな鍵を握る。
  • IT革新を効果的に人々が利用するには、人々が絶えず訓練、学習をすることが重要である。それゆえ、IT経済政策の重要な課題の一つに如何にヒューマンキャピタルを改善するかがあります

第二に、IT革新からニューエコノミーの恩恵を受けているグループがいる一方、ITから逆に不利になっているグループがいます。この不平等な関係を“デジタルディバイド”と呼びます。このデジタルディバイドは人々の所得格差、教育格差、地域格差、人種格差、男女格差から生じていることがわかります。


最後に、このような“デジタル ディバイド”を如何に“デジタルオポチュニティー”に変えるかという米国の6つのIT経済政策について触れます